JDドットコムの4月−6月決算(2Q)が発表されました。
Alibabaにつぐe-コマース企業で、Amazonと同じ事業構造で、かなり株価が下がっている状況なので、企業の実態はいかにということでいう決算内容を見てみました。
結果はというと次の通りです。
・EPSは20分の1になってしまっている状態。
・財務状況に不安はなく、今後の売上原価推移を見ていく必要あり。
売上好調のJDドットコム
4−6月期決算結果は、次の通りです。
売上高:253.8 B(RMB) 前年比:26.2%増
営業利益:0.3 B(RMB) 前年比:94%減
フリーキャッシュフロー:29.5 B(RMB) 前年比:14.3%増
売上高が成長している割合には、営業利益が伸び悩んでる状況ですね。ただ、キャッシュフローは順調に伸びています。
1Qまでの過去2年間の売上高、営業利益、キャッシュフローの推移を見てみたいと思います。
売上高は、同じく右肩上がりのトレンドを描いていると思います。20 1Qの成長率は鈍化したかのように見えましたが、かなりの好業績です。年30%オーバーで続伸するのは管理有望だと思います。
営業利益は、売上とは違って各期で売上原価の発生&減少がキーファクターとなっています。
キャッシュフローは、売上に比例するかのように右肩上がりのトレンドを描いています。少し前は、マイナスとプラスを行ったり来たりでしたが、ここ3年は伸びてきているので、今後はプラス域での水位変化が予想されます。
過去の売上高、営業利益、キャッシュフローの推移傾向と今回の2Qの結果は類似しているので、そこまで心配ないのかもしれません。(JD固有のしかも特徴ということで)
ファンダメンタルズは堅調
決算情報からファンだメタルズを見てみます。
財務情報何を見たらいいの?と思っている方には、「ファンダメンタルズ分析で必要な項目」という内容で、後日公開予定なのでそちらを参照してださい。
まずは、資産がどのくらいあるのか、すぐに現金化できそうな資産はどのくらいあるのか?を見ていきます。
かなり増えているキャッシュ
その点について注目するとすぐに現金化できそうな項目の合計値は、178.1 B(RMB)。
事業継続に必要な借入金の状況は?
資産を見たら次は、負債がどのくらいなのかを確認しておきます。
もちろん短期借入金と長期借入金の2つを見ます。
短期借入金の合計値は、128.5 B(RMB)となっており、流動資産の現金よりも少ないことがわかります。
流動資産 – 短期借入金 = 178.1 – 128.5 = 49.6 B(RMB)
そして、長期借入金はかなり少ない2.9 B(RMB)となっています。計算するまでもない額です。
短期借入も長期借入、どちらの視点からも現金保有量からするとまず倒産することはないと考えられます。
株主資本に対する債務状況は?
長期借入金を図る尺度として、株主資本での比較を考えたいと思います。
株主資本は、248 B(RMB)です。
2.9 / 248 = 3.6%となりますね。通常、長期負債と資本のボーダーラインは、25%:75%ですが、3.6% : 96.4%と圧倒的な差となっているので、こちらの結果からも超優良企業ということになります。
ファンダメンタルズ的には心配になるところは全くありませんでした。
収益の源泉 – ユーザ数の推移は?
e-コマースメインの企業の重要なファクターはユーザ数なので、そちらも確認しておきます。
昨年どから順調に伸びています。1年間でやく1億2000万人増えてます。日本の人口とほぼ等しいユーザ数が増えているって中国企業の底知れない力を感じます。
まとめ
株価不調な中国企業JDドットコムの2Q決算を確認してみました。
まとめると次の通りになります。
・不安要素を挙げるとすれば、マーケティング費用など販売に関わる原価が継続的にかかるのかどうかをみていく必要あり。
・ただ、実態と株価には大きな乖離があり、実態にあった株価まで上昇するのを待つのみ。
中国当局の規制により、株価的には下降路線まっしぐらですが、ビジネス的には美味しい状況です。
まだまだ下がるかも知れませんので、少しずつ資金を投入するという戦略か、今下がっている要因は主に中国当局の規制強化によるものなので、それが落ち着きそうな頃見計らって資金投入が良いと思います。
大きな動きを見つつ、アンテナはって、投資で未来を切り開いていきましょう。