こんばんは〜、ビスコです。
毎月初めに発表されるISM製造業景気指数の発表がありました。この指数の動向から現在の米国経済状況を見て見たいと思います。
・企業的には今後も需要は強いと感じている。
・供給遅延により、コスト増が余儀なくされ、一般消費者への価格転嫁によりインフレ圧力が強いのは継続している。
・この状況の解決には新興国での経済安定化が必要と思われる。
製造業の景況感はかなり良い
2021年3月、4月に製造業の景況感はピークをつけたもののその後も60ポイント台を維持しており、かなり良い状態が続いているように見えます。
そして、先月末に発表のあったPMI値をみると予測値よりも上振れしていることが多く、企業の購買部門としてはまだまだ需要が多いと見ているようにも見えます。
ただ、新規受注数は大幅に減少しており、一般消費者の消費動向としては下火になりつつあるというのが一般的な見方だと思います。
そして、先月待つに発表された雇用コスト指数からすると過去5年にはないぐらいに人材確保のために企業がコスト増を余儀なくされているという現状があります。
そして、企業の製造リードタイムも増加しているという事実もあります。
雇用コスト増の背景には人手不足のために起きており、リードタイム増の背景には原材料の供給量不足により起きている状況です。
新規受注が冷え込んできているということと人手不足発生による雇用コスト増というのは、相反する事象のような気がしています。
需要が多いから人手不足という結果になるわけで、需要が本当に減少しているならば、人手不足という事態にはならないのではないかということです。そのため、別の要因が何かあるのではないかと思っています。
ただ、現実として企業の製造コストはここのところ増加していることは確かなので、それが商品・製品へ製造コストが転嫁され、商品価格上昇を引き起こしています。
そして、この流れは変わっていないため、一過性と言われているインフレは継続傾向にあります。
まとめ
ISM製造業景気指数から米国経済の状況を考えて見ましたが、先月と大きな流れに変更はなく、景況感の好調さは感じつつも、インフレ圧力の継続により、米国経済が安定的に成長するというのは難しい局面にあるのではないかと状況だと思います。
インフレ要因は商品・製品価格の上昇によるもので、その要因は原材料の供給遅延が引き金になっています。
そのため、米国へ供給している新興国の経済状況の改善が見られない限り、この傾向は続くものと思われます。
つまり、世界的にコロナ収束が見えてこないとなかなか改善しない事態なのではないかと思っています。