こんばんは〜、ビスコです。
10月末にアマゾンの決算報告もありました。ジェフ・ベゾスさんがCEOをやめて初めての決算ですが、案の定というか、結果的にあまりよくない業績となっています。
7月に退任後、アンディ氏の経営路線の影響なのかまだ判断はつきませんが、結果は結果としてちゃんと確認しておく必要がありますので、FY21 3Qの決算結果と4Qに向けのガイダンスを確認しておきたいと思います。
・業績悪化がファンダメンタルズにも悪影響が出ている。
・業績悪化にともない株価が低迷している状況。
・株価下落でも、リスクも高く現段階では買いではく、様子見が無難。
売上高は予想を上回ったが全体的には業績悪化
アマゾンの3Q決算は次の通りです。
単位 Mドル(百万ドル)
売上高:110,810 Mドル
営業利益:4,852 Mドル
EPS : 6.12 ドル
AMZNの場合も特徴がありますね。第1Qから第4Qに向かって徐々に売上高が高くなっていってます。
そういう意味では、3Qの伸びが薄くても4Qでの決算結果では復活してくるかもしれません。しかし、現状でという今までの伸びよりの小さいのかもしれません。
4Qの伸びの要因の多くは、11月末の感謝祭から12月末までのクリスマス商戦での結果だと思うので、消費者の経済状況が回復していない現状だと苦戦する結果が予想されますね。
19年以降は1Qが高くなっている。そして、コロナ禍にもかかわらず、20年台の営業利益の成長はかなりありました。しかし、ここにきてマイナス成長を記録している結果は、
利益圧迫の背景
このような利益率を悪化させるようなことが起きてしまったのがなぜなのか?
この原因は、アマゾンが従業員を大量に雇用した結果だと思っています。夏場、一時的にコロナが収まり、新規感染者が少なくなりつつある時にアマゾンが従業員を4万人雇用するという発表がありました。
配送センターでの従業員を雇用というのは、物流数が増加したことに伴う従業員数の確保が必要ということのためでした。
しかし、結果的には高い雇用賃金で雇ってしまったためにかなりのコスト増という結果を招いてしまっています。
この営業コスト増は、固定費増という結果を招いているので、これを改善するにはかなりの時間がかかるのでは無いかと思います。どの企業も固定費の削減にはかなりの改善コストがかかりますし、プロセスの見直しなども必要になるかもしれません。
かなり悪化しているファンダメンタルズ
FY20 3QとFY21 3Qのファンダメンタルズをチェックして見たいと思います。
営業利益が減少している点は先ほど触れましたが、減っているだけでなく、自己資本が増えているにもかかわらず、それが利益に転化されていないことがよろしくない点ですね。
自己資本利益率が3.5%ダウンしており、稼ぐ力が半減していることがわかります。
長期負債も50%アップしており、今後の財務状況を改善するにしても大きく足を引っ張る結果になるのではないかと思います。
株価の動向と今後
アマゾンの1年間の株価同行ですが、ぱっと見昨年度から伸びていないことがわかると思います。3月がそこで7月〜8月にかけて上昇はしているように見えますが、昨年度の位置からするとそこまで上げている感じはしません。
1兆ドルを超える企業群の中でも停滞していることは明らかです。
FY21 4Qの状況についてガイダンスが発表されましたが、
売上高:130 Bドル〜140Bドル(市場予想:141.3 Bドル)
営業利益:0〜3 Bドル(市場予想:7.44 Bドル)
この結果を受けて将来予想もアナリストの間で変わったようです。
11月1日時点で取得した将来PERの状況です。
11月2日時点で取得した将来PERの状況です。
今年度の利益成長裏はマイナスへ転換しています。そして、FY22, FY23のEPSは下方修正されています。成長率が上がっているのはベースとなるFY21がマイナスという結果が予想されてたからですね。
売上高もそこまで下がりませんが下がる方向に予想されています。
一番の問題はFY21がマイナス成長だと考えられたということです。FY20が好調だったこともあり、残念な結果がしばらく続きそうです。
まとめ
アマゾンのCEO後退とともに戦略変更がされたわけではないが、固定費増となる結果により、しばらく業績の方は思わしくないことが予想されます。
FY21残り2ヶ月が一番のポイントですが、消費者の懐事情もシビアになっていることから、あまり業績は期待できないと考えられます。
今は株価下落でも買いというスタンスではなく様子見というのが無難な気がします。今しばらく、アマゾンの業績回復には時間がかかると思います。