こんにちは、少し前ですが、2021/8/30にWeb会議サービスを提供しているZoomの決算が発表されました。Zoomですが、日本でもコロナ禍以降に個人間での利用も多く見られるようになり、知っている人も多いと思います。
最近、出てきた企業かと思いきや2011年設立と意外と古いと思いました。
コロナ禍で業績好調のZoomが今後も伸びていけるのかどうかを21年5-7月期(2Q)の結果から見ていきたいと思います。
この記事のポイントは次の通りです。
・財務面からは負債が少なく、超優良企業と判断できる。
・株価の面からすると現時点では割高。また、FY23以降の伸びも期待が薄い。
・この後の利益上昇が見込めれば買っても良いと思える企業。
21年5-7月期実績とFY22の見通し
今期実績値と22年度分の見通しをみてみたいと思います。
21年5−7月期の実力はいかに?
決算結果を見てみたいと思います。
単位:M(百万)
売上高:1,022 M(USD) 前年比:54%増
営業利益:295 M(USD) 前年比:56.6%増
EPS(GAAP):1.04(USD) 前年比:165.1%増
前年比で見ると結構好調のように見えます。
ただ、昨年がコロナ特需により1000%を超える伸び率を出していたので、今年に入ってからの成長率はかなり鈍化しているように見えてますね。
FY22の見通し
売上高:4.005B〜4.015 B(USD) 前年比:51%増
営業利益:1.05 B 〜 1.51 B(USD) 前年比:127%増
EPS:4.75(USD)〜4.79(USD) 前年比:111%増
FY22の見通しを見てもFY22は堅調と言えますね。
ファンダメンタルズの状況
業績は好調というのは見てわかりましたが、財務状況がどうなっているのかをBalance Sheetから見ていきたいと思います。
資産と負債から見る状況
資産は、直近現金化できそうなものだけをピックアップしています。
負債は、長期負債に着目しています。
21年1月:4,244,713(千USD) → 21年7月:5,105,399(千USD)
現金相当は、この6ヶ月間で増えていますね。
21年1月:61,634(千USD) → 21年7月:57,884(千USD)
長期負債に相当するものは少し減少しています。
これだけの差があれば倒産することはほぼないですね。
株主資本から見る状況
株主資本は次の通りです。
21年1月:3,860,767(千USD) → 21年7月:4,657,748(千USD)
負債比率は、負債:株主資本=1.2%:98.8%
自己資本比率がかなり高く超優良とも言えます。
株主資本利益率も見てみたいと思います。算出は、営業利益(non-GAAP)÷株主資本で算出します。
株主資本利益率は、9.1%とちょっと渋い結果となっていますね。もっと頑張って株主に対して利益を出して欲しいところです。
株価からみるPER
将来PERの状況を見ると22年度はまずまずの伸び率ですが、それでも62.13倍とかなり割高な状態かと思っています。
それFY23以降の成長率も今までのようにはいかないというのがアナリストの見方なようです。今期にだけかけて投資するにしも高すぎるというのが結論のようです。
まとめ
今日は、8月30日に好決算を記録したZoomnの決算報告を見てみました。
結論的には財務面はかなり優秀だが、収益(利益面)では、株主資本利益率9.1%と思った以上に稼ぎ出せていないということがわかりました。そして、株価の面からも現時点では割高感が否めないという結果が見て取れます。
今後の戦略にもよりますが、既存事業をより躍進させることでより多くの利益を生み出すことができれば、買っても良い企業だと思います。財務面で資産よりもかなり低い負債というのは、魅力的だと思っています。
無借金が良いというわけではないですが、負債を抱えているのは、企業にとっても動きが鈍くなる一因でもあります。Zoomのような財務面で良好な企業は、自己資本により利益をもっとあげて欲しいと思いますね。